遺留分とは、一言で言うと相続人がもらえる最低限保証される相続分のことです。
例えば、被相続人(亡くなった方)である父親が、遺言書を作成して、家族以外の方に全ての財産を渡すという遺言を残したとしたら、共に生活をしている家族はどうなるでしょうか。
父親に生活を頼っていた家族は、家を追い出され路頭に迷ってしまう事も考えられます。そのような事を防ぐ為に民法は、遺留分制度というものを設けており、被相続人と一定の相続人に関しては、遺留分の主張が出来るようになっております。
相続分でいうと、相続人の遺留分は法定相続分の2分の1となります。
遺留分については次の3つのポイントがあるのでそちらをご紹介します。
相続人でも兄弟姉妹は遺留分の主張は出来ない。
相続人であれば誰でも遺留分の主張が出来るわけではなく、相続人が兄弟姉妹の場合は遺留分の主張は出来ません。又、兄妹姉妹の子である甥姪に関しても同様です。
兄弟姉妹に遺留分を認めない理由としては、血縁的に遠いからと言われております。兄弟姉妹間においては、通常は生計を同一にするケースは少ない場合も多い為、遺留分を与えるまでの保護は不要であると考えられるからです。
遺留分は主張してはじめて効力が発生する。
遺留分は正確には「遺留分侵害額請求権」といい、自身の遺留分を侵害している相手に、請求することが必要となります。言い換えると、黙っていては勝手に入ってこないということです。通常は、内容証明郵便にて相手方に通知をして主張していくことが多いです。
そして遺留分の主張には、期限があるので注意が必要です。期限は、相続の開始および遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知った時から1年間行使しないと、時効により消滅してしまいます(民法第1048条第)
また、相続開始の時から10年間が経過した場合、遺留分侵害額請求権は除斥期間により消滅します。
遺留分請求後の取戻しは金銭で清算する。
2019年に相続法(民法)が改正され、遺留分の精算は原則として金銭で行うこととされました。
しかし、被相続人の遺産のほとんどが現金でない場合などには、遺留分を請求された者は、精算が行えません。そのような場合は、当事者の合意いにより遺留分を金銭以外の財産で行うことも可能です。
以上、遺留分に関してのポイントでした。